LINE相談・予約 076-442-3888
   

深い虫歯から歯の神経を守る!その1

Author Archives: kanagawa-dc

深い虫歯から歯の神経を守る!その1

こんにちは、かんです。

前回の歯髄の話の続きとして、深い虫歯(深在性う蝕)に対する治療について書いていきたいと思います。

「根管治療をなんとか避けたい」

まず、深い虫歯というと非常に曖昧な表現ですが、

深いというのは、虫歯でエナメル質が壊され、歯の第二層である象牙質の厚みのほとんどの深さまで虫歯になり、歯の中にある歯髄に接近もしくは到達している状態をいいます。(簡単にいうと、歯髄に近い虫歯)

(写真1)歯髄の近くまで虫歯が進行している。

虫歯が歯髄に接近すると、虫歯の細菌などの感染源が象牙細管を通して歯髄に直接入っていくことができ、それによって歯髄炎がひき起こされます。

深在性う蝕によって歯髄炎が重篤で、歯の激痛だったり、歯髄が壊死を起こしてしまっている状態であれば、迷わず歯髄を全て取り除く治療を選択しますが、そうでないときは、「虫歯がすごく深くて歯髄まで行ってそうだけど、歯髄を全部取る以外の方法は無いかな」という迷いが出てきます。

歯髄を全て取り除く、つまり根管治療を行ってしまうと、虫歯の再発はもちろん、歯根破折のリスクの増大という問題が出てきます。

虫歯の治療の中で、根管治療は最も侵襲の大きい治療であり、どうしても歯へのダメージが大きいので、なんとか歯髄を残してあげたいという治療(歯髄保存療法vital pulp therapy)が以前から行われてきました。

ただ、歯髄活性の高い若年者の、特に外傷歯に対する治療として主に行われており、成人の深在性う蝕に対する治療としては、その予後の不安定さから主流の治療とはいえませんでした。

しかし、マイクロスコープの拡大視野を活用することで、虫歯や歯髄の状態を細かいレベルまで把握することができるようになったことから、最近では、大人の深在性う蝕に対する治療としても注目されるようになりました。

さらに、歯髄への生体親和性が高いMTAという歯科セメントが歯髄を保護する材料として活躍しており、歯髄保存療法の予後に大きく貢献しています。

歯髄保存療法その1:歯髄を露出させない

深在性う蝕に対する歯髄保存療法のコンセプトとして、まず「歯髄を露出させない」治療があり、手技として

1)ステップワイズエキスカベーションstepwise excavation

2)シールドレストレーションsealed restoration

があります。

まず、ステップワイズエキスカベーションですが、stepwiseというのは「一歩ずつ、段階的に」という意味で、虫歯を2段階もしくは3段階以上のステップを踏んで取り除く手技です。

ステップワイズエキスカベーションは、虫歯が歯髄にほぼ到達しており、「歯髄真上の虫歯」を全て取り除くと歯髄が見えてしまうような状態に行いますが、手順として1)「歯髄真上の虫歯」は少し残して、それ以外の虫歯は全て取り除いて、お薬(水酸化カルシウムなどの覆髄剤)を置いて仮のもので虫歯の穴を封鎖しておいて、2)3〜6ヶ月間う蝕象牙質の硬化や第三象牙質の形成を待ってから、3)再度開けて(リエントリー re-entry)、残りのう蝕象牙質を取り除くという流れで、かなりの辛抱強さを必要とする治療です。

(写真2)「歯髄真上の虫歯」とはこんな状態です。歯髄が露出する寸前です。

一方、シールドレストレーションですが、sealedというのは「封鎖された」という意味で、「歯髄真上の虫歯を封じ込めてしまう」イメージです。

ステップワイズエキスカベーションのような歯髄真上の虫歯に覆髄剤を置いて象牙質形成を待つプロセスを省いて、歯髄真上の虫歯以外はしっかり取り除いて、虫歯があった穴をつめて封鎖してしまいます。歯髄真上の虫歯を封じ込めることで、虫歯菌への栄養などを遮断して虫歯の成長を止めさせるという意味合いを持っています。ステップワイズエキスカベーションと違って、治療回数は減りますが、虫歯を少なからず残すという特徴があります。

両者の共通点としては、「歯髄を露出させない」というところにあります。

歯髄が露出することによる直接的なダメージを極力避け、歯髄の生活力を生かす治療です。

また、このような歯髄保存療法を、お薬が直接的に歯髄に接するわけではなく、一層の象牙質を介して歯髄を保護することで、間接覆髄法indirect pulp cappingという表現をすることもあります。

本日はここまでにして、次はもっと積極的な歯髄保存療法について書いてみます!

 

日付:  カテゴリ:お知らせ

歯の中には何がある?

こんにちは、姜です。

今回は、歯の中がどうなっているかについて説明していきます!

まず歯の断面構造から

歯は二層構造をしています。歯の最表層は、体の中で最も硬い「エナメル質」で覆われています。そして、歯の2層目には「象牙質」という歯の硬組織があります。象牙質は少し黄色くて、エナメル質に比べると柔らかい感じです。エナメル質は感覚がないですが、象牙質には感覚があります。なので、エナメル質が剥がれたり、虫歯で破壊されたりして象牙質が露出すると、なんらかの刺激によって歯の痛みとして感じることになります。特に、エナメル質が剥がれて歯がしみて痛い状態を象牙質知覚過敏といいます。

エナメル質と象牙質を越えて歯の髄へ

歯の最表層のエナメル質、歯の2層目の象牙質のさらに内側には、柔らかい歯の髄があり、「歯髄」といいます。よく患者さんに説明するときに、歯髄のことを「歯の神経」という表現をしますが、歯髄には、神経組織以外にも、血管やコラーゲンなどの結合組織、様々な細胞たちで満たされています。

(写真)歯の中には血管の豊富な歯髄が入っています。神経、血管、結合組織、様々な細胞たちなどで満たされています。

歯髄は何をする?

よく歯は骨と違って再生しないといわれます。しかし、実際には、歯の2層目である象牙質は再生とはいえないですが、一生の時間をかけて少しずつ作られます。また、虫歯の刺激や、外傷、歯の治療などによって刺激されることによっても、象牙質が作られます。

象牙質が作られる場所は歯髄です。歯髄と象牙質の境界のところには、象牙質を作る象牙芽細胞が並んでいます。象牙芽細胞が象牙質からの刺激を受けると、それに歯髄の細胞たちが反応して象牙質を作ります。歯根の成長が終わって生理的な刺激で添加される象牙質(第二象牙質)と虫歯、外傷、切削刺激などの強い刺激を受けて添加される象牙質(修復象牙質もしくは第三象牙質)があります。

また、様々な免疫細胞や炎症細胞が歯髄にいますので、象牙質からの細菌などの異物侵入や機械的・化学的刺激があると、歯髄で免疫反応や炎症反応が起こります。

このように、象牙質と歯髄は個別に存在するものではなく、象牙質で受け取った刺激に対して、歯髄の方で反応し、中枢神経に痛み信号を送ったり、象牙芽細胞を刺激して象牙質形成を促したり、歯髄の免疫細胞による免疫反応を起こしたりするなど、象牙質と歯髄がセットになって行動します。よく「象牙質歯髄複合体 dentin-pulp complex」という表現をします。

こんな歯髄をなんとか残したい

歯髄の近くまで虫歯が進んでしまうとどうなるでしょうか?

虫歯が歯髄に接近すると、虫歯が歯髄に直接到達していなくても、虫歯の細菌が象牙質の小さな穴(象牙細管)を通って、歯髄に直接入っていくことができ、歯髄に強い炎症を起こさせます。

歯髄の炎症を「歯髄炎」といいますが、歯髄炎の症状としては、温度感覚、特に冷温感覚によって誘発される痛みです。最初は、「冷たいもので強くしみる」から始まり、「何もしなくても痛い」、「歯がズキズキする」、「夜特に痛い」、「痛くて夜起きてしまう」などに進行していきます。さらに炎症が進むと激痛を経て「噛むと痛い」症状に変わっていきます。

深い虫歯になって歯髄炎が起きた時はよく「歯の神経を抜く」治療をするイメージがあると思いますが、実際はいろいろな治療オプションがあります。

1)症状が無いか軽く、虫歯を全て取り除いても歯髄がみえない:そのまま虫歯の穴を詰める(コンポジットレジンなどの修復治療)

2)症状が軽く、虫歯を全部取ると歯髄が見えそう:歯髄真上の虫歯は残して、それ以外の虫歯はしっかり取り除いて歯髄が露出しないようにする治療非侵襲的間接覆髄法(AIPC, ステップワイズエキスカベーションstepwise excavationを行います) or シールドレストレーションsealed restoration

もしくは虫歯を積極的に取り除いて露出した歯髄をMTAで覆う治療(覆髄法direct pulp capping or 部分断髄法partial pulpotomy or 歯頸部断髄法cervical pulpotomy)

3)症状が強い:歯髄を残す治療(歯頸部断髄法)、歯髄を全て取り除く治療(抜髄pulpectomy)

このように、実は深い虫歯の治療には様々なパターンがあり、最近は、マイクロスコープの拡大視野を活用して、できるだけ歯の神経を抜かない治療、歯の神経を温存する治療、つまり歯髄保存療法が注目されています。

まだ、歯髄の状態を正確に診断することは難しいところがありますが、歯髄を残せるなら、残した方が良いという考え方です。

 

今回は、歯髄に関してざっくり書いてみました。

歯髄の大切さが少しわかってもらえれば良いですね。

 

 

日付:  カテゴリ:お知らせ

歯科の4K映像システム

こんにちは、姜(かん)です。

今回は4k映像システムについて書いてみたいと思います。

歯医者で4k映像システムは何のために?

当院で4k映像システムを何に使うかというと、歯科用マイクロスコープでみた歯の状態を記録するためのシステムとして用いています。

まず、歯科における拡大視野には、マイクロスコープとルーペ(拡大鏡)がありますが、ルーペと比較したマイクロスコープの優位性というのは、(マイクロスコープの方が)

1)レンズの光学的性能を複雑化でき、高度なレンズ設計が可能

2)キセノンなど自然光に近く、輝度の非常に高い光源が利用できる

3)レンズと光源が同軸であるため、象がより鮮明にみえる

4)記録装置の拡張性が高い

などがあげられます。

ルーペでもコンパクトカメラなどを付ければ映像記録ができないわけではないですが、ルーペのレンズでみえている象とどうしてもずれて記録しますし、物理的に高性能カメラをルーペにつけることは重すぎて現実的ではないので、記録装置の拡張性という面では圧倒的にマイクロスコープの方が有利だと思います。

 

歯科用マイクロスコープ向け映像システム

マイクロスコープの映像システムには

1)医療用CCDカメラを用いる

2)ビデオカメラを用いる

3)一眼レフカメラ(ミラーレスを含む)を用いる

方法がありますが、上記の方法のうち、静止画・動画共に、3の方法が高画質化を実現てきます。

まず、4k動画というのは、3840*2160画素(約800万画素)の動画のことを言います。

ハイビジョンが1280*720(約100万画素)、フルハイビジョンが1920*1080(約200万画素)ですので、フルハイビジョンの約4倍の高画質です。

まず、Ikegami社などの医療用CCDカメラがありますが、4kシステムで構築すると数百万円以上のコストがかかりますし、録画されたデータの編集が難しいなど、3つの中で最もコスパの悪いシステムで、お勧めできません。

ソニーのハンディカムやパナソニックなどの4kビデオカメラでも十分きれいに動画が取れると思いますが、一眼レフカメラの方が、フルサイズやAPS-Cなどとイメージセンサーがビデオカメラ(1/2.5型)より大きいですし、画素数が2000万画素以上のものが多いので、ビデオカメラに比べるとより高精細な映像がとれます。また、以前のような30分の動画撮影時間制限がないものも出ています。

また、4k動画といっても、せいぜい800万画素しかないので、きれいな写真を撮りたい場合は、一眼レフカメラの方が圧倒的にきれいです。

このような理由で、当院では、マイクロスコープ向けの録画装置として、一眼レフカメラ、特にミラーレス一眼レフカメラを採用しています。

(写真1)ミラーレス一眼レフカメラをマイクロスコープに接続している様子

当院のマイクロスコープには、T2マウントカメラアダプターをマイクロスコープ側につけて、さらに、ソニーEマウントアダプターをつけてカメラをつけています。

 

当院で使っているカメラ

上記の写真のように、マイクロスコープにアダプターをつけて、そこにカメラをつける格好で使っています。

現在、当院で使っているカメラはソニーのミラーレス一眼レフカメラ、α7S3です。

α7シリーズの高感度モデルで、4k動画撮影に特化したカメラです。

主な仕様として、

1)約1300万画素

2)35mmフルサイズセンサー

3)動画撮影時間30分制限無し

4)4kでフレームレート120pまで撮影可能

5)色深度 4:2:2 10ビットで4k動画撮影可能

6)SDカード2枚まで装填可能

などなど、他社のカメラを圧倒する4kカメラスペックです。

実際、4k映像システムに必要な事項とα7s3における対応としては、

1)急速なカメラへの電源供給:USB給電(9V/3AのUSB-C PD、急速給電)

2)カメラのモニターへの接続:43型4kテレビにフルサイズHDMI端子で接続

3)記録媒体(SDカード):最低書き込み速度60MB/s(v60)で問題無し、v30でも4k/60pはとれる、v90・スピードのより速いCFexpressタイプaはほぼ必要なし

 

(写真2)α7s3はUSB-C PDとフルサイズHDMI接続に対応しています。

将来的には、カメラアダプターをマイクロスコープにもう一つつけて、現カメラは動画用としてそのまま使って、静止画用の高解像度カメラ(ソニーα7R4など)を追加したいと思っています。

また、4k動画の問題点として、データサイズが非常に大きいので、SDカードでは限界があるというところです。

なので、次のアップグレードとしては、atmos社のninja 5というレコーダーをカメラにつけて動画データを記録したいと思っています。

意外に長くなりましたが、これでマイクロスコープ用4k映像システムの構築について書いてみました。ぜひ参考にしてください。

日付:  カテゴリ:お知らせ

MTAの話

こんにちは。金川歯科の姜(かん)です。

歯科では様々な種類のセメントを使って、虫歯の穴を詰めたり、被せ物を固定したりします。

その中でも、MTA(Mineral Trioxide Aggregate)という歯科用セメントが、歯の神経を残してくれる材料として注目されています。

今回はMTAについて知っていることを書いてみます。

はじめは工業用セメントから作られた

最初に考案されたMTAは、ホームセンターに行けば手に入る「ポルトランドセメント」を原料にして作られました。

ポルトランドセメントは、灰色〜灰白色の粉末をしていて、粉末に水を入れて混ぜると固まります(水硬性セメント)

コンクリートが固まるのも、このポルトランドセメントのおかげです。ポルトランドセメントに、砂と砂利を混ぜたものをコンクリートというのです。

1990年代初めごろに、アメリカのLoma Rinda大学のMahmoud Torabinejad先生が、根の治療で偶発的にできてしまった歯根の穴(根管穿孔)を封鎖する目的で、はじめてポルトランドセメントを試したそうです。意外にもその結果が良くて、今では根管治療領域でその活用幅を広げています。

MTAの作り方・成分

MTAの主成分はポルトランドセメントですが、ポルトランドセメントは何でできているんですかね?

ポルトランドセメントの作り方は意外に簡単です。

石灰石、粘土、珪石、鉄などの鉱物をよく粉砕して混ぜて1400度以上の高温で焼きます。これでできた塊をクリンカーと言います。このクリンカーを粉砕したものがポルトランドセメントになります。

クリンカーの主成分はケイ酸カルシウムであり、細かくいうと、ケイ酸三カルシウム(エーライト)、ケイ酸二カルシウム(ビーライト)、アルミン酸カルシウム(アルミネート相)、カルシウムアルミノフェライト(フェライト相)で構成されています。

この中で、歯科用として有効な成分はケイ酸三カルシウムとケイ酸二カルシウムですが、特にケイ酸三カルシウムが歯科用セメントとして使われています。ケイ酸二カルシウムはセメントの遅延硬化に働くのですが、水和反応で硬化するのに数週間もかかってしまうので、硬化が遅すぎて歯科用としては向いていません。ケイ酸三カルシウムは約3時間で硬化するので、ケイ酸二カルシウムに比べれば非常に速いと感じますが、それでも歯科用セメントの中ではかなり硬化が遅いもので、いかに硬化時間を短縮できるかもMTAの課題となっております。

従来のMTAの原料は天然由来のため、重金属などの不純物を含有するといわれており、最近の後発製品は高純度のカルシウムやケイ酸の試薬を原料にしてできた合成MTAもあります。

ポルトランドセメントとMTAの違い

細かい組成はもちろん違いますが、両者の決定的な違いは、造影剤が入っているかいないかです。

歯科治療においてレントゲン写真は欠かせないものですが、レントゲンに映るようにするものが造影剤です。

元祖MTAといえるDentsply社のProRoot MTAには酸化ビスマスという造影剤を配合してあります。(MTA粉全体の1/4程度)

しかし、酸化ビスマスは、血液成分や露光などが原因で黒変し、特に前歯に使った場合、歯が黒く変色してしまい、審美障害を生じてしまいます。

なので、酸化ビスマスの代わりに、酸化ジルコニウム(ジルコニア)や酸化タンタルなどが使われるものも出ています。タングステン酸カルシウムなどの造影剤も代わりとしてあげられます。

もっと使いやすいMTAへ

MTAの改善すべき点として、歯の変色、硬化時間の短縮、操作性改善があげられます。

歯の変色に関しては、原料に鉄成分を排除する、酸化ビスマス以外の造影剤に代えるなどで改善でき、硬化時間に関しても塩化カルシウムやアルミン酸の配合などである程度改善できます。

もう一つのMTAの問題点として、操作性が悪い、すごく扱いづらいというところがあります。

MTAの場合、1症例に対して非常に微量しか使わず、多くて0.3g程度しか使いません。なので、水で練った練和物は、水の量の変化に非常に敏感で、少し水が多くなるだけでゆるくなってしまい、窩洞への移送や充填を難しくしますし、物性の低下にもつながります。

こういった問題を解決するために、脂肪酸や増粘成分をMTAの粉末や水に添加し、とろみをつけたり、シリンジで出せるようにしたり、パテ状にして賦形性をもたせたりして、流動特性を改善することで、操作性改善をはかっています。


今日はMTAの裏話的な記事を書いてみました。

最近、光で固まるのものや象牙質接着性レジンに混ぜたものなどが開発されて、臨床的に大変便利なものが出てきていますが、MTAといえば、やはり水と直接反応して固まるところが本来の姿だと思っています。

いろいろなMTAが登場しているいま、みなさんのMTAの基礎知識に少し役立っていれば嬉しいです!

今日の記事は以上です!

 

 

 

日付:  カテゴリ:お知らせ

歯科用デジカメを考える

こんにちは、金川歯科の姜(かん)です!

ソニー、キャノン、ニコン

デジカメといえば、これらのメーカーが有名ですよね。

スマホの登場でデジカメの需要も年々減ってきているみたいですが、やはり歯やお口の状態をきれいに撮影するためには、ちゃんとしたカメラが必修です!

今回は、当院で使っているカメラを中心に、デジカメについて書いていきたいと思います!

一眼レフ?ミラーレス?

ちゃんとしたカメラの代表として一眼レフとミラーレスがありますが、両者ともレンズ交換が可能であり、様々な種類のレンズを用途に合わせてカメラにつけることができます。

両者の違いは、レンズとイメージセンサーの間に鏡があるか無いかの違いです。

上:一眼レフカメラ(ニコンD3500)、下:ミラーレスカメラ(ソニーα6400)

写真のように、レンズを外すと、一眼レフカメラは斜め上になっている鏡がイメージセンサーの前に入っていますが、ミラーレスカメラはいきなりイメージセンサーが見えます(ミラーレス=鏡無し)。

 

両者の違いは、レンズで見えている象を、鏡で光学的にファインダーに映すか、イメージセンサーで作った画像をファインダーに映すかの違いです。(ファインダーというのはカメラの覗き窓のことです)

こういった構造的な違いがあるんですが、これで一番差が出るのは、カメラの重さです。ミラーレスですと、構造的に簡単で、軽量化が可能ですので、一眼レフに比べてコンパクトな感じです。

最近では、コンパクトなミラーレスカメラの方が人気があるようです。

ミラーレスカメラの先駆者はαシリーズのソニーですが、キャノンやニコンもミラーレスカメラ市場に積極的に参入してきています。

 

フルサイズ?イメージセンサーのサイズ

イメージセンサーは、レンズで見えている象をデジタル化して画像にしてくれるものです。

イメージセンサーにはフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズなど、いろいろなサイズがあります。

最近は大きいサイズのフルサイズが大変人気ですが、サイズが大きい、小さいでそれぞれ特徴があります。

センサーサイズが大きいと、画素数が増えて高画質ですし、画素一つあたりの大きさも大きくなるので、光を取り込む量も増え、階調の表現や、暗所撮影などにも強いです。また、被写界深度が浅くなるので、ボケの表現も得意です。インスタ映えするような、背景だけぼかしたいときには、フルサイズセンサーが得意です。

上:フルサイズセンサー、下:APS-Cセンサー

逆に、APS-Cやマイクロフォーサーズなどのフルサイズより小さいセンサーサイズですと、上記の特徴の逆になります。

一見、フルサイズの方がAPS-Cやマイクロフォーサーズより上に感じますが、歯科用カメラとしては、小さいセンサーの方が有利な場面が多いです。小さいセンサーの一番のメリットは被写界深度が深い、つまりボケにくいです。口腔内写真を撮影するとき、あまりボケてしまうと、奥歯のピントが合わなかったりするので、全体のピントを合わせたいときには、APS-Cやマイクロフォーサーズが有利です。

また、小さいと画角、映る範囲がフルサイズに比べると狭いですが、逆にフルサイズに比べて寄せている感じを出せますので、どっちかというとマクロ撮影である口腔内写真の場合は、小さいセンサーがかえって有利だと思います。

特に、マイクロフォーサーズはAPS-Cよりもセンサーサイズが小さく、オリンパスやパナソニックのカメラで採用されています。あまり主流なタイプのセンサーではないですが、被写界深度が非常に深いので、被写体がボケにくく、かつ、被写体に寄せている感を出せますので、特に根管内を観察するときのマイクロスコープ用カメラとして使ってみたいと、最近興味を持ち始めました。ただ、センサーサイズが小さい分、暗いところには弱いかもしれませんね、、

 

当院で使用しているカメラ

口腔内写真用カメラ:ニコンD3500

ニコンのAPS-Cサイズ相当のエントリーモデル一眼レフカメラです。ニコンは「黒」の表現に強く、見たままの自然な色感で写真が仕上がると言われており、また、コンパクトで軽いので、こちらのカメラを採用しました。

レンズはタムロン製の90mm/F2.8のマクロレンズにリングストロボをつけて使っています。

ニコンD3500

マイクロスコープ用カメラ:ソニーα7S3

4K動画撮影に特化した最新フルサイズミラーレスカメラです。画素数は1300万程度で低めですが、暗い場所などにおける高感度撮影が得意です。

ソニーα7S3:マイクロスコープに接続

ソニーα7S3:フルサイズHDMI端子を介して4kテレビの画面に映して使用

余裕ができたら、6100万画素数を誇るソニーα7R4をマイクロスコープにもう一台つけたいと思っていますが、かなりの予算が必要で保留にしています、、

今日の投稿は以上です!

 

 

日付:  カテゴリ:お知らせ

LINE相談・予約