
食べ物をかむときは、歯だけでなく、あごを動かす筋肉も働いています。その一つが「咬筋(こうきん)」です。
咬筋はどこにある?
咬筋は顔の左右にあり、頬骨の下から、下あごの外側に沿って、あごの角、いわゆる「エラ」の付近にかけて広がっています。
かむ動きを支える筋肉
咬筋が縮むと下あごが引き上げられ、口を閉じる方向に力が働きます。食事では、ほかの咀嚼筋(そしゃくきん)と協調しながら、上下の歯で食べ物をかむ動きを支えています。
図は、おおよその位置を示しています
色の付いた部分は、皮膚の下にある咬筋の位置を示したものです。体のつくりには個人差があるため、図の輪郭がそのまま一人ひとりの筋肉の境界を表すわけではありません。画像はAIで作成した模式図で、実際の患者さんの写真ではありません。
耳の前にある顎関節は、下あごと頭の骨をつなぐ関節です。咬筋と顎関節は、あごの動きに関わる別の組織です。
頬やあごに気になる症状があるときは、図の場所だけで原因を判断せず、診察で確認しましょう。

咬筋にも休息を:噛みしめ・TCHとセルフケア
ストレスや緊張、作業への集中などで、無意識に噛みしめてしまうことがあります。また、強く噛まなくても、上下の歯を軽く触れさせ続ける「TCH(歯列接触癖)」は、咬筋などに負担をかけ、疲れやだるさにつながることがあります。
まずは、上下の歯を離して休ませる
食事などで歯を使っていないときの接触に気づいたら、上下の歯をそっと離し、あごや肩の力を抜いて休ませましょう。
痛くない範囲で、やさしくマッサージ
セルフケアの一つとして、頬の外側から咬筋に指の腹を当て、ゆっくり小さな円を描くようにやさしくマッサージする方法もあります。強くつまんだり、痛みを我慢して揉んだりしないでください。
痛みが出る・強まる場合は中止し、続く痛みや口の開けにくさは歯科で確認しましょう。
セルフケアの参考:神奈川県歯科医師会「TCHについて」/同「顎関節症のセルフケア」/日本歯科医師会「顎関節症」
参考:日本歯科医師会「筋肉の働き」/StatPearls「Anatomy, Head and Neck, Masseter Muscle」

