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年末年始の休診について

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年末年始休診期間
12月28日(月)午後~1月3日(日)

28日(月)午前は通常通り9:00~13:00まで診察しております

期間中はご不便ご迷惑をおかけ致しますが、何卒ご了承くださいますよう お願い申し上げます。

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YouTubeはじめました!4K映像でみる根管治療など!

金川歯科のかんです。

4K画質で撮影したマイクロスコープ映像を随時YouTubeにアップしています!

現在は歯髄保存療法や根管治療を中心とした映像をアップして、実際どういう風にやっているかをみなさんにお見せしたいと思います。

今後は歯磨き指導などの患者向け保健教育動画など、根管治療以外の動画もアップしていけたらと思います!

チャンネル登録

もぜひお願いします!

https://www.youtube.com/channel/UCqh35eL1R-9KeyyimJ3d2bg

 

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歯磨き粉ってどれを使えば良い?歯周病編

こんちには、かんです。

記録的大雪の影響がまだ続いていますね。大変です。

前回の虫歯予防に特化した歯磨き粉につづき、今回は歯周病予防のために有効な歯磨き粉について調べてみましょう。

まず、歯周組織とは?

歯周組織は、文字通り、歯の周りの組織のことで、歯を支えている組織です。

木が土の中に根を張ってしっかり立っているように、顎骨の中に歯の歯根が植っています。

しかし、顎骨に歯根がただ植っているだけでは、歯は顎骨から簡単に抜けてしまいます。

噛む力がかかっても歯が骨から抜けないように、歯と骨の間で、しっかり歯を支えているのが「歯周組織」です。

具体的に歯周組織は、1)歯肉、2)セメント質、3)歯根膜、4)歯槽骨によって構成されています。

(写真1)歯周組織のレントゲン象。レントゲン上で、セメント質や歯槽骨は硬いので白く、柔らかい歯根膜は黒く写ります。

歯肉はいわゆる歯茎のことで、上皮組織です。

セメント質は歯根の象牙質表面についている硬組織で、ここに後述の歯根膜が入り込みます。

歯根膜は、セメント質と歯槽骨の間に規則的に配列されているコラーゲンを主成分とする線維性の組織です。歯根膜は歯のクッション材のようなもので、噛む力を緩衝してくれますし、噛むときの感覚を司ります。

歯槽骨は、歯が植っている顎骨の部分をいいます。

歯周病について

歯周病は、歯についたプラークという細菌の塊によって歯周組織に炎症が引き起こされ、歯周組織が破壊される病気で、その原因は歯周病原菌による細菌感染です。

最初は、歯肉の炎症による発赤・腫脹・出血からはじまりますが、放置すると歯根膜や歯槽骨が破壊されることになります。

(写真2)歯周病によって破壊された歯周組織。歯槽骨が破壊されたところは、レントゲン写真上で黒く写ります。

一度破壊された歯根膜や歯槽骨はなかなか再生しません。

さらに、歯周病は、歯を失う最大の原因になることはもちろん、糖尿病や心臓病など、全身に影響を及ぼす恐ろしい病気ですので、なる前に予防することがとても大切です。

歯周病予防に必要な歯磨き粉成分は?

(図1)歯周病予防に有効な成分(LION資料より)

ライオンのシステマシリーズの資料を中心に説明していきますが、

歯周病予防の戦略としては、1)歯周病原菌の殺菌、2)歯肉を歯周病から強くする、3)歯肉の炎症を抑えるといった感じです。

1)殺菌成分:IPMP(イソプロピルメチルフェノール)CPC(塩化セチルピリジニウム)、ラウロイルサルコシンナトリウム

2)歯肉細胞の活性化・歯肉強化:ビタミンE

3)歯肉の炎症抑制:トラネキサム酸、イプシロン-アミノカプロン酸、βグリチルレチン酸

特に、IPMPは、バイオフィルムでお薬に対する耐性ができてしまった場合にも効果があるといわれています。

(図2)IPMPはバイオフィルム浸透性があるといわれています。(LION資料より)

また、歯肉の炎症によって歯肉が出血しやすい状態になると、歯周病原菌が増えやすくなるので、トラネキサム酸などで炎症を抑えて出血しにくい歯肉にすることも大切です。

その他に、粘度があって歯に留まりやすい性状が必要です。薬用成分が歯に長く残存してくれることで、薬効の持続が期待できます。また、研磨剤が入っていると歯がすり減りやすいので、特に歯周病で歯肉が下がって歯根が見えている方は、研磨剤が入っていないことが推奨されます。

(図3)システマSP-Tジェル、歯周病リスクの高い方に特に有効です(LION資料より)

システマシリーズの中でも、「SP-Tジェル」が歯周病予防のための薬用成分がしっかり配合されていて、研磨剤無配合・高粘性なので、特に歯周病のリスクが高い方にオススメの歯磨き粉です。

以上、歯周病予防のために有効な歯磨き粉について書いてみました。

正しい歯ブラシと歯磨き粉の使用で、歯周病の予防はもちろん、すでに進んでしまった歯周病の進行を止めることもできます。

みなさんで歯ブラシを頑張りましょう!

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臨時休診のお知らせ

令和3年1月12日(火)は、大雪の影響により、臨時休診とさせていただきます。

 

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歯磨き粉ってどれを使えば良い?虫歯&知覚過敏編

こんにちは、かんです。

まず、遅くなりますが、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新年一発目になりますが、今回はライオンさんの歯磨き粉成分をみながら、患者様それぞれに合った歯磨き粉選びに役に立つ情報について書いてみます。

虫歯型か歯周病型か

まず、歯科の2大疾患は、みなさんご存知の虫歯と歯周病ですが、虫歯と歯周病でそれぞれ求められる薬用成分が異なってきます。

この記事では簡単に1)虫歯体質の患者様向け2)歯周病体質の患者様向けに分けて、それぞれに必要な歯磨き粉成分について解説します。

今回はまず虫歯型の患者様向けの歯磨き粉について書いていきます。その延長で、象牙質知覚過敏に有効な歯磨き粉についても記載します。

フッ素で虫歯に強い歯にする

まず、虫歯型の方に必要な成分は、フッ素(フッ化ナトリウム)です。

虫歯というのは、簡単に説明すると、Streptococcus mutans(ミュータンス菌)という細菌が、砂糖を代謝してできた酸によって歯が侵される病気です。

フッ素を使う目的は、ミュータンス菌による酸の攻撃に強い歯にすることです。

どのように酸に強い歯にしてくれるかというと、ハイドロキシアパタイトという結晶からできているエナメル質や象牙質の表面にフッ素が塗布されることで、ハイドロキシアパタイトが一部フルオロアパタイトという結晶にかわって、酸の攻撃に強くなる仕組みです。

濃度が高ければ高いほど、フッ素の効果が発揮できますが、濃度が高いとフッ素の毒性も出てくるので、家庭用の歯磨き粉としては許容されている濃度は日本では最大1,500ppm(実際販売されているのは最大1,450ppm)になります。

また、実際フッ素を塗っても、お口の中では唾液によってすぐに流されるか薄まるので、フッ素の効果を高めるには、できるだけフッ素を歯の表面に留めさせる必要があるので、「コーティング成分」が入っているものがあります。

まとめると、虫歯型の方に有効な薬用成分は

1)フッ素:フッ化ナトリウム(できれば1,450ppmのもの)

2)コーティング剤:カチオン化セルロース(ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド)、PCA(ピロリドンカルボン酸)

があります。

(図1)フッ素入りのLIONチェックアップシリーズ(LION資料より)

LIONの虫歯用歯磨剤であるチェックアップのライナップです。

子供から成人まで、それぞれのライフステージに合わせた薬用成分が配合されています。

(図2)歯磨き粉使用後の唾液中フッ素濃度の経過(LION資料より)

歯磨き粉のフッ素成分は、お口の中ですぐ薄まってしまうので、できれば高濃度のものを使った方が良いでしょう。

歯がしみるときには何がいい?

冷たいものや歯ブラシのとき、歯がしみる、つまり、象牙質知覚過敏に有効な歯磨き粉はどれでしょうか?

CMでもよくやっているシュミテクトが、知覚過敏用歯磨剤として有名かと思います。

まず、象牙質知覚過敏とは、歯の表面のエナメル歯が剥がれ、内層である象牙質が露出することで冷温刺激や歯ブラシなどの擦過刺激でしみる状態をいいます。

特に、歯と歯茎の境目である歯頸部のエナメル質は非常に薄く、研磨剤入り歯磨き粉の使用などですり減りやすく、簡単に象牙質が露出してしまうことがあります。

(写真1)歯頸部のエナメル質はとても薄いので研磨剤入り歯磨き粉の使用で容易にすり減ってなくなってしまい、象牙質が露出してしまい、う蝕や知覚過敏になりやすくなります。

このように露出してしまった象牙質は、感覚があるので、とてもしみるようになることがあります。(象牙質知覚過敏)

象牙質の感覚は、外来刺激が、象牙質にたくさん空いている穴(象牙細管)を通して歯髄の神経に伝わることで感じます。シュミテクトなどのしみ留め成分の歯磨き粉は、象牙細管を封鎖する成分(硝酸カリウム)を含有しています。

しかし、市販のもののほとんどには研磨剤が入っていますので、露出してしまった象牙質にそれを継続して使うと余計に象牙質がすり減ってしまい、知覚過敏が悪化する場合もあります。なので、知覚過敏用の歯磨き粉は、できれば研磨剤無配合のものが望ましいです。

特に、ライオンさんのチェックアップシリーズの内、「チェックアップルートケア」が象牙質知覚過敏用としては理にかなっている成分構成かと思います。

(図3)LIONのチェックアップルートケア、研磨剤が入っていないのでオススメ(LION資料より)

知覚過敏抑制成分の硝酸カリウムはもちろん、研磨剤が入っていませんし、フッ素濃度も高濃度に入っているので、露出した象牙質の虫歯予防にも有効です。

チェックアップシリーズは、基本的には歯科医院専売品で、普通の薬局には置いてないので、かかりつけの歯医者で買い求める必要があります。

 

今回はまず虫歯体質の方向けの歯磨き粉に必要な成分を解説してみました。

次回は、歯周病体質の方向けの歯磨き粉についてまとめてみます。

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深い虫歯から歯の神経を守る!その2

こんにちは、かんです。

今回は、前回の記事(間接覆髄法)の続きで、間接覆髄法より積極的な歯髄保存療法について説明していきます。

歯髄の露出を恐れず

前回の記事では、歯髄に非常に近い深い虫歯(深在性う蝕)に対して、できるだけ歯髄が露出しないように、虫歯を段階的に取るか、少し虫歯を残して封じ込めるかにして、歯髄を守る治療について説明しました。

今日説明する治療法は、歯髄が露出してでも確実に虫歯を取って、虫歯を取ることによって露出してしまった歯髄をできるだけ温存する治療になります。

考え方としては、まず

1)マイクロスコープの拡大視野による感染源の確実な除去

2)封鎖性・生体親和性・抗菌作用・硬組織誘導能といったMTA(Mineral Trioxide Aggregate)の優れた材料学的特性を活用した歯髄の保護

虫歯の除去によって歯髄が露出してしまっても、MTAで歯髄を保護できますので、虫歯を下手に残すより、露髄を恐れずに感染源を確実にとることを重視します。場合によっては、歯髄も一部切断して、より確実に感染源を除去します。

MTAを使う前に虫歯をきれいに!

MTAのおかげで、露出した歯髄も、安心して残すことができるようになりました。高い封鎖性によって細菌の歯髄への漏洩から守ってくれますし、歯髄に接していても生体親和性が高いので安全です。

そして、MTAの硬化時に作られる水酸化カルシウムは、強アルカリ性による抗菌作用はもちろん、歯の組織(象牙質)の形成を誘導する能力があると知られています。

(写真1)露出した歯髄はMTAで保護する!

しかし、MTAを魔法の薬のように思い込み、MTAの性能だけを信じて、歯髄保存療法を行うと必ず失敗に終わってしまいます。

まず歯髄保存療法成功の大前提は、「虫歯の徹底除去」、つまり「感染源の確実な除去」です。

特に、外傷とかではなく、う蝕が原因で歯髄が露出してしまった場合は、感染源の徹底除去はかなりシビアになってきます。

虫歯の徹底除去」を達成するためには、マイクロスコープの拡大視野が不可欠です。マイクロスコープの拡大視野下で、う蝕検知液による染め出し歯の硬さなどを目安に、う蝕を取り除いていきます。

また、う蝕除去時の削片などが歯髄に残ってしまうと、歯髄に炎症を起こしてしまいますし、すでに歯髄がダメージを受けて一部壊死してしまっているときもあるので、そのときもマイクロスコープの拡大視野がないといけません。

この作業が歯髄保存療法において最も大切であり、「どこまでが虫歯なのか」「歯髄は元気なのか」と、術者を迷わせるところでもありますので、かなりの熟練度を要するパートです。

(写真2)マイクロスコープによるう蝕視診、先端の尖った器具で強く当ててみて、歯に圧痕がつかなければ健全歯質と判断しています。

(写真3)マイクロスコープによる歯髄視診、歯髄に血流があっても、エアーをかけたときに歯髄が象牙質から容易に剥がれるような場合は、歯髄壊死と判断しています。

このように、マイクロスコープの拡大視野は、歯髄保存療法において欠かせないものです。

しかし、う蝕除去や歯髄の状態の判断は、国際的に認められたような判定基準がまだ確立していない感じで、かなり曖昧で主観的な判断要素がありますので、そこが治療における難点かと思います。

いずれにしても、いきなり根管治療を行わずに、まずはステップバイステップで、歯髄保存療法を行うことは、価値のある選択肢かと思います。

最近は虫歯の人がほとんどいないと言われていますが、虫歯の罹患状態も二極化しています。「虫歯が無い人は全くないし、ある人はかなり重篤(虫歯が多いし、深い)」といった感じですね。

深い虫歯で悩んでいる方は、ぜひ歯髄保存療法に熱心な先生に出会えることを祈ります。

今日は以上とさせていただきます!

 

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深い虫歯から歯の神経を守る!その1

こんにちは、かんです。

前回の歯髄の話の続きとして、深い虫歯(深在性う蝕)に対する治療について書いていきたいと思います。

「根管治療をなんとか避けたい」

まず、深い虫歯というと非常に曖昧な表現ですが、

深いというのは、虫歯でエナメル質が壊され、歯の第二層である象牙質の厚みのほとんどの深さまで虫歯になり、歯の中にある歯髄に接近もしくは到達している状態をいいます。(簡単にいうと、歯髄に近い虫歯)

(写真1)歯髄の近くまで虫歯が進行している。

虫歯が歯髄に接近すると、虫歯の細菌などの感染源が象牙細管を通して歯髄に直接入っていくことができ、それによって歯髄炎がひき起こされます。

深在性う蝕によって歯髄炎が重篤で、歯の激痛だったり、歯髄が壊死を起こしてしまっている状態であれば、迷わず歯髄を全て取り除く治療を選択しますが、そうでないときは、「虫歯がすごく深くて歯髄まで行ってそうだけど、歯髄を全部取る以外の方法は無いかな」という迷いが出てきます。

歯髄を全て取り除く、つまり根管治療を行ってしまうと、虫歯の再発はもちろん、歯根破折のリスクの増大という問題が出てきます。

虫歯の治療の中で、根管治療は最も侵襲の大きい治療であり、どうしても歯へのダメージが大きいので、なんとか歯髄を残してあげたいという治療(歯髄保存療法vital pulp therapy)が以前から行われてきました。

ただ、歯髄活性の高い若年者の、特に外傷歯に対する治療として主に行われており、成人の深在性う蝕に対する治療としては、その予後の不安定さから主流の治療とはいえませんでした。

しかし、マイクロスコープの拡大視野を活用することで、虫歯や歯髄の状態を細かいレベルまで把握することができるようになったことから、最近では、大人の深在性う蝕に対する治療としても注目されるようになりました。

さらに、歯髄への生体親和性が高いMTAという歯科セメントが歯髄を保護する材料として活躍しており、歯髄保存療法の予後に大きく貢献しています。

歯髄保存療法その1:歯髄を露出させない

深在性う蝕に対する歯髄保存療法のコンセプトとして、まず「歯髄を露出させない」治療があり、手技として

1)ステップワイズエキスカベーションstepwise excavation

2)シールドレストレーションsealed restoration

があります。

まず、ステップワイズエキスカベーションですが、stepwiseというのは「一歩ずつ、段階的に」という意味で、虫歯を2段階もしくは3段階以上のステップを踏んで取り除く手技です。

ステップワイズエキスカベーションは、虫歯が歯髄にほぼ到達しており、「歯髄真上の虫歯」を全て取り除くと歯髄が見えてしまうような状態に行いますが、手順として1)「歯髄真上の虫歯」は少し残して、それ以外の虫歯は全て取り除いて、お薬(水酸化カルシウムなどの覆髄剤)を置いて仮のもので虫歯の穴を封鎖しておいて、2)3〜6ヶ月間う蝕象牙質の硬化や第三象牙質の形成を待ってから、3)再度開けて(リエントリー re-entry)、残りのう蝕象牙質を取り除くという流れで、かなりの辛抱強さを必要とする治療です。

(写真2)「歯髄真上の虫歯」とはこんな状態です。歯髄が露出する寸前です。

一方、シールドレストレーションですが、sealedというのは「封鎖された」という意味で、「歯髄真上の虫歯を封じ込めてしまう」イメージです。

ステップワイズエキスカベーションのような歯髄真上の虫歯に覆髄剤を置いて象牙質形成を待つプロセスを省いて、歯髄真上の虫歯以外はしっかり取り除いて、虫歯があった穴をつめて封鎖してしまいます。歯髄真上の虫歯を封じ込めることで、虫歯菌への栄養などを遮断して虫歯の成長を止めさせるという意味合いを持っています。ステップワイズエキスカベーションと違って、治療回数は減りますが、虫歯を少なからず残すという特徴があります。

両者の共通点としては、「歯髄を露出させない」というところにあります。

歯髄が露出することによる直接的なダメージを極力避け、歯髄の生活力を生かす治療です。

また、このような歯髄保存療法を、お薬が直接的に歯髄に接するわけではなく、一層の象牙質を介して歯髄を保護することで、間接覆髄法indirect pulp cappingという表現をすることもあります。

本日はここまでにして、次はもっと積極的な歯髄保存療法について書いてみます!

 

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歯の中には何がある?

こんにちは、姜です。

今回は、歯の中がどうなっているかについて説明していきます!

まず歯の断面構造から

歯は二層構造をしています。歯の最表層は、体の中で最も硬い「エナメル質」で覆われています。そして、歯の2層目には「象牙質」という歯の硬組織があります。象牙質は少し黄色くて、エナメル質に比べると柔らかい感じです。エナメル質は感覚がないですが、象牙質には感覚があります。なので、エナメル質が剥がれたり、虫歯で破壊されたりして象牙質が露出すると、なんらかの刺激によって歯の痛みとして感じることになります。特に、エナメル質が剥がれて歯がしみて痛い状態を象牙質知覚過敏といいます。

エナメル質と象牙質を越えて歯の髄へ

歯の最表層のエナメル質、歯の2層目の象牙質のさらに内側には、柔らかい歯の髄があり、「歯髄」といいます。よく患者さんに説明するときに、歯髄のことを「歯の神経」という表現をしますが、歯髄には、神経組織以外にも、血管やコラーゲンなどの結合組織、様々な細胞たちで満たされています。

(写真)歯の中には血管の豊富な歯髄が入っています。神経、血管、結合組織、様々な細胞たちなどで満たされています。

歯髄は何をする?

よく歯は骨と違って再生しないといわれます。しかし、実際には、歯の2層目である象牙質は再生とはいえないですが、一生の時間をかけて少しずつ作られます。また、虫歯の刺激や、外傷、歯の治療などによって刺激されることによっても、象牙質が作られます。

象牙質が作られる場所は歯髄です。歯髄と象牙質の境界のところには、象牙質を作る象牙芽細胞が並んでいます。象牙芽細胞が象牙質からの刺激を受けると、それに歯髄の細胞たちが反応して象牙質を作ります。歯根の成長が終わって生理的な刺激で添加される象牙質(第二象牙質)と虫歯、外傷、切削刺激などの強い刺激を受けて添加される象牙質(修復象牙質もしくは第三象牙質)があります。

また、様々な免疫細胞や炎症細胞が歯髄にいますので、象牙質からの細菌などの異物侵入や機械的・化学的刺激があると、歯髄で免疫反応や炎症反応が起こります。

このように、象牙質と歯髄は個別に存在するものではなく、象牙質で受け取った刺激に対して、歯髄の方で反応し、中枢神経に痛み信号を送ったり、象牙芽細胞を刺激して象牙質形成を促したり、歯髄の免疫細胞による免疫反応を起こしたりするなど、象牙質と歯髄がセットになって行動します。よく「象牙質歯髄複合体 dentin-pulp complex」という表現をします。

こんな歯髄をなんとか残したい

歯髄の近くまで虫歯が進んでしまうとどうなるでしょうか?

虫歯が歯髄に接近すると、虫歯が歯髄に直接到達していなくても、虫歯の細菌が象牙質の小さな穴(象牙細管)を通って、歯髄に直接入っていくことができ、歯髄に強い炎症を起こさせます。

歯髄の炎症を「歯髄炎」といいますが、歯髄炎の症状としては、温度感覚、特に冷温感覚によって誘発される痛みです。最初は、「冷たいもので強くしみる」から始まり、「何もしなくても痛い」、「歯がズキズキする」、「夜特に痛い」、「痛くて夜起きてしまう」などに進行していきます。さらに炎症が進むと激痛を経て「噛むと痛い」症状に変わっていきます。

深い虫歯になって歯髄炎が起きた時はよく「歯の神経を抜く」治療をするイメージがあると思いますが、実際はいろいろな治療オプションがあります。

1)症状が無いか軽く、虫歯を全て取り除いても歯髄がみえない:そのまま虫歯の穴を詰める(コンポジットレジンなどの修復治療)

2)症状が軽く、虫歯を全部取ると歯髄が見えそう:歯髄真上の虫歯は残して、それ以外の虫歯はしっかり取り除いて歯髄が露出しないようにする治療非侵襲的間接覆髄法(AIPC, ステップワイズエキスカベーションstepwise excavationを行います) or シールドレストレーションsealed restoration

もしくは虫歯を積極的に取り除いて露出した歯髄をMTAで覆う治療(覆髄法direct pulp capping or 部分断髄法partial pulpotomy or 歯頸部断髄法cervical pulpotomy)

3)症状が強い:歯髄を残す治療(歯頸部断髄法)、歯髄を全て取り除く治療(抜髄pulpectomy)

このように、実は深い虫歯の治療には様々なパターンがあり、最近は、マイクロスコープの拡大視野を活用して、できるだけ歯の神経を抜かない治療、歯の神経を温存する治療、つまり歯髄保存療法が注目されています。

まだ、歯髄の状態を正確に診断することは難しいところがありますが、歯髄を残せるなら、残した方が良いという考え方です。

 

今回は、歯髄に関してざっくり書いてみました。

歯髄の大切さが少しわかってもらえれば良いですね。

 

 

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歯科の4K映像システム

こんにちは、姜(かん)です。

今回は4k映像システムについて書いてみたいと思います。

歯医者で4k映像システムは何のために?

当院で4k映像システムを何に使うかというと、歯科用マイクロスコープでみた歯の状態を記録するためのシステムとして用いています。

まず、歯科における拡大視野には、マイクロスコープとルーペ(拡大鏡)がありますが、ルーペと比較したマイクロスコープの優位性というのは、(マイクロスコープの方が)

1)レンズの光学的性能を複雑化でき、高度なレンズ設計が可能

2)キセノンなど自然光に近く、輝度の非常に高い光源が利用できる

3)レンズと光源が同軸であるため、象がより鮮明にみえる

4)記録装置の拡張性が高い

などがあげられます。

ルーペでもコンパクトカメラなどを付ければ映像記録ができないわけではないですが、ルーペのレンズでみえている象とどうしてもずれて記録しますし、物理的に高性能カメラをルーペにつけることは重すぎて現実的ではないので、記録装置の拡張性という面では圧倒的にマイクロスコープの方が有利だと思います。

 

歯科用マイクロスコープ向け映像システム

マイクロスコープの映像システムには

1)医療用CCDカメラを用いる

2)ビデオカメラを用いる

3)一眼レフカメラ(ミラーレスを含む)を用いる

方法がありますが、上記の方法のうち、静止画・動画共に、3の方法が高画質化を実現てきます。

まず、4k動画というのは、3840*2160画素(約800万画素)の動画のことを言います。

ハイビジョンが1280*720(約100万画素)、フルハイビジョンが1920*1080(約200万画素)ですので、フルハイビジョンの約4倍の高画質です。

まず、Ikegami社などの医療用CCDカメラがありますが、4kシステムで構築すると数百万円以上のコストがかかりますし、録画されたデータの編集が難しいなど、3つの中で最もコスパの悪いシステムで、お勧めできません。

ソニーのハンディカムやパナソニックなどの4kビデオカメラでも十分きれいに動画が取れると思いますが、一眼レフカメラの方が、フルサイズやAPS-Cなどとイメージセンサーがビデオカメラ(1/2.5型)より大きいですし、画素数が2000万画素以上のものが多いので、ビデオカメラに比べるとより高精細な映像がとれます。また、以前のような30分の動画撮影時間制限がないものも出ています。

また、4k動画といっても、せいぜい800万画素しかないので、きれいな写真を撮りたい場合は、一眼レフカメラの方が圧倒的にきれいです。

このような理由で、当院では、マイクロスコープ向けの録画装置として、一眼レフカメラ、特にミラーレス一眼レフカメラを採用しています。

(写真1)ミラーレス一眼レフカメラをマイクロスコープに接続している様子

当院のマイクロスコープには、T2マウントカメラアダプターをマイクロスコープ側につけて、さらに、ソニーEマウントアダプターをつけてカメラをつけています。

 

当院で使っているカメラ

上記の写真のように、マイクロスコープにアダプターをつけて、そこにカメラをつける格好で使っています。

現在、当院で使っているカメラはソニーのミラーレス一眼レフカメラ、α7S3です。

α7シリーズの高感度モデルで、4k動画撮影に特化したカメラです。

主な仕様として、

1)約1300万画素

2)35mmフルサイズセンサー

3)動画撮影時間30分制限無し

4)4kでフレームレート120pまで撮影可能

5)色深度 4:2:2 10ビットで4k動画撮影可能

6)SDカード2枚まで装填可能

などなど、他社のカメラを圧倒する4kカメラスペックです。

実際、4k映像システムに必要な事項とα7s3における対応としては、

1)急速なカメラへの電源供給:USB給電(9V/3AのUSB-C PD、急速給電)

2)カメラのモニターへの接続:43型4kテレビにフルサイズHDMI端子で接続

3)記録媒体(SDカード):最低書き込み速度60MB/s(v60)で問題無し、v30でも4k/60pはとれる、v90・スピードのより速いCFexpressタイプaはほぼ必要なし

 

(写真2)α7s3はUSB-C PDとフルサイズHDMI接続に対応しています。

将来的には、カメラアダプターをマイクロスコープにもう一つつけて、現カメラは動画用としてそのまま使って、静止画用の高解像度カメラ(ソニーα7R4など)を追加したいと思っています。

また、4k動画の問題点として、データサイズが非常に大きいので、SDカードでは限界があるというところです。

なので、次のアップグレードとしては、atmos社のninja 5というレコーダーをカメラにつけて動画データを記録したいと思っています。

意外に長くなりましたが、これでマイクロスコープ用4k映像システムの構築について書いてみました。ぜひ参考にしてください。

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MTAの話

こんにちは。金川歯科の姜(かん)です。

歯科では様々な種類のセメントを使って、虫歯の穴を詰めたり、被せ物を固定したりします。

その中でも、MTA(Mineral Trioxide Aggregate)という歯科用セメントが、歯の神経を残してくれる材料として注目されています。

今回はMTAについて知っていることを書いてみます。

はじめは工業用セメントから作られた

最初に考案されたMTAは、ホームセンターに行けば手に入る「ポルトランドセメント」を原料にして作られました。

ポルトランドセメントは、灰色〜灰白色の粉末をしていて、粉末に水を入れて混ぜると固まります(水硬性セメント)

コンクリートが固まるのも、このポルトランドセメントのおかげです。ポルトランドセメントに、砂と砂利を混ぜたものをコンクリートというのです。

1990年代初めごろに、アメリカのLoma Rinda大学のMahmoud Torabinejad先生が、根の治療で偶発的にできてしまった歯根の穴(根管穿孔)を封鎖する目的で、はじめてポルトランドセメントを試したそうです。意外にもその結果が良くて、今では根管治療領域でその活用幅を広げています。

MTAの作り方・成分

MTAの主成分はポルトランドセメントですが、ポルトランドセメントは何でできているんですかね?

ポルトランドセメントの作り方は意外に簡単です。

石灰石、粘土、珪石、鉄などの鉱物をよく粉砕して混ぜて1400度以上の高温で焼きます。これでできた塊をクリンカーと言います。このクリンカーを粉砕したものがポルトランドセメントになります。

クリンカーの主成分はケイ酸カルシウムであり、細かくいうと、ケイ酸三カルシウム(エーライト)、ケイ酸二カルシウム(ビーライト)、アルミン酸カルシウム(アルミネート相)、カルシウムアルミノフェライト(フェライト相)で構成されています。

この中で、歯科用として有効な成分はケイ酸三カルシウムとケイ酸二カルシウムですが、特にケイ酸三カルシウムが歯科用セメントとして使われています。ケイ酸二カルシウムはセメントの遅延硬化に働くのですが、水和反応で硬化するのに数週間もかかってしまうので、硬化が遅すぎて歯科用としては向いていません。ケイ酸三カルシウムは約3時間で硬化するので、ケイ酸二カルシウムに比べれば非常に速いと感じますが、それでも歯科用セメントの中ではかなり硬化が遅いもので、いかに硬化時間を短縮できるかもMTAの課題となっております。

従来のMTAの原料は天然由来のため、重金属などの不純物を含有するといわれており、最近の後発製品は高純度のカルシウムやケイ酸の試薬を原料にしてできた合成MTAもあります。

ポルトランドセメントとMTAの違い

細かい組成はもちろん違いますが、両者の決定的な違いは、造影剤が入っているかいないかです。

歯科治療においてレントゲン写真は欠かせないものですが、レントゲンに映るようにするものが造影剤です。

元祖MTAといえるDentsply社のProRoot MTAには酸化ビスマスという造影剤を配合してあります。(MTA粉全体の1/4程度)

しかし、酸化ビスマスは、血液成分や露光などが原因で黒変し、特に前歯に使った場合、歯が黒く変色してしまい、審美障害を生じてしまいます。

なので、酸化ビスマスの代わりに、酸化ジルコニウム(ジルコニア)や酸化タンタルなどが使われるものも出ています。タングステン酸カルシウムなどの造影剤も代わりとしてあげられます。

もっと使いやすいMTAへ

MTAの改善すべき点として、歯の変色、硬化時間の短縮、操作性改善があげられます。

歯の変色に関しては、原料に鉄成分を排除する、酸化ビスマス以外の造影剤に代えるなどで改善でき、硬化時間に関しても塩化カルシウムやアルミン酸の配合などである程度改善できます。

もう一つのMTAの問題点として、操作性が悪い、すごく扱いづらいというところがあります。

MTAの場合、1症例に対して非常に微量しか使わず、多くて0.3g程度しか使いません。なので、水で練った練和物は、水の量の変化に非常に敏感で、少し水が多くなるだけでゆるくなってしまい、窩洞への移送や充填を難しくしますし、物性の低下にもつながります。

こういった問題を解決するために、脂肪酸や増粘成分をMTAの粉末や水に添加し、とろみをつけたり、シリンジで出せるようにしたり、パテ状にして賦形性をもたせたりして、流動特性を改善することで、操作性改善をはかっています。


今日はMTAの裏話的な記事を書いてみました。

最近、光で固まるのものや象牙質接着性レジンに混ぜたものなどが開発されて、臨床的に大変便利なものが出てきていますが、MTAといえば、やはり水と直接反応して固まるところが本来の姿だと思っています。

いろいろなMTAが登場しているいま、みなさんのMTAの基礎知識に少し役立っていれば嬉しいです!

今日の記事は以上です!

 

 

 

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